フロータントを使い切るプチテク! [釣りノウハウ(実釣編)]
私の場合、毛ばりにCDC素材も使っていることもあり、ティムコのドライマジックを愛用しています。容器が細いチューブ状になっていて中のフロータントを指で押し出して使うようになっています。
使い始めは全く問題がないのですが、中身が減ってくるとなかなか取り出し辛くなります・・・。押しても押しても出なかったり、逆に突然ピュッと出過ぎてしまったりすることがあり、これまで大変なストレスになっていました。
私は、勿体ない精神で出来るだけ使い切りたいタイプなのですが、最近良い方法を思いつきました。
普通の綿棒を1本使うだけです。
画像では綿棒を強調するため2本になっています・・・。
中身が減ってきて取り出し辛くなってきたところで、釣行前にキャップを取り外し中に綿棒を差し込み、この状態でホールダーを使ってベストにぶら下げておきます。キャップを付けていた方が安全かと思いますが、私は取り出す際の手間を少しでも省くため外しています。
そして、フロータントが必要になった際には綿棒を取り出して先端に付いたフロータントを使用するようにしてみたところ、一連の動作がスムースに運びストレスから解放されました。
唯一の欠点は、綿棒が容器にすっぽり入ってしまい取り出し辛いケースがあることですが、この場合はフォーセップを使えば簡単に取り出すことが出来ます。
最後に、釣行終了後は取り外したキャップを閉めて保管しています。なお、私は釣行頻度が高いこともあり綿棒は容器に入れたままにしています。折角フロータントが浸みた綿棒を捨てるは勿体ないからです。ただし、安全面を考慮して綿棒の柄の部分が紙で出来ているものを使用していますので力が加わったり濡れたりすると折れたり曲がったりします。そうなって使い辛くなった場合には綿棒を取り換えるようにしています。
この方法をここ数回の釣行で試してみて長年のストレスから解放されイイ感じでしたので、ご紹介させて頂きました。皆様もそれぞれ工夫されているかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その8) [釣りノウハウ(実釣編)]
ゴールデンウィークも終わってしまいましたが、このシリーズもいよいよ最終回です。
今回は、芦ノ湖のボートフィッシングにおけるキャスト(カウント)、リトリーブと魚が掛った後のやり取り等、実践ノウハウというか留意点について、ご説明して終わりたいと思います。
なお、あくまで私自身の経験から得たものですので、参考にならない部分も多いかと思いますがご了承ください。
《実践ノウハウ》
・キャスト
まずはキャストについてです。ボートを係留すると風を受けて舳先が風上を向き、船尾は風下を向きます。手漕ぎボートでは船尾に向かって座るので、釣り人は風下方向を向くことになります。この状態で船尾(風下)に向かってキャストすると姿勢的にも無理がなく、トラブルが少なく飛距離も稼ぐことが出来ます。以前にも記しましたが、10mもキャストすれば釣りになりますので距離を欲張らないことです。
・カウント
私の釣り方では、主に水深5~8m付近にボートを係留していますが、シンキングラインのタイプⅡかⅢを使い、水深1m~8m程までを丹念に探るようにしています。特に水深3~5m程の中層をメインに狙うので、カウント5~30で引くことが多いのですが、これでもアタリが出ないときは、1分以上待つこともあります。
この場合、重要なのはカウントしている時もラインを弛ませないようにすることです。稀に、カウント中にバイトがあることがありますので。このため、キャスト直後にラインを少し引いて弛みを取ってからカウントするようにしています。
また、カウント中にもボートは風で動くことから、知らぬ間にラインがカーブ(ひどい時はS字を書くようなこともあります)を描いてしまうことがありリトリーブ中にアタリがロッドに伝わらないことがあります。これを防ぐため、キャストした後、遠くの陸上の岩等を目印にしてロッドティップの位置を動かさないようにすることが重要となります。
・リトリーブ
リトリーブについては、釣り人毎にそれぞれ引き方があると思いますので、それをベースにすると良いと思います。私の場合は、ロッドティップを水面に入れて、右手でロッドを持ち左手で約10cmずつ引いていますが、アタリが出ないときは、引くスピードを変えたり、時折ストップアンドゴーを入れて変化を付けたりしています。さらに、ボートの下もポイントなので、出来るだけボートの近くまで気を抜かずに引くことをお奨めします。
また、気を付けないといけないのは、手繰って余ったラインの処理です。大物のアタリは突然来て一挙にラインが引き出されますので、ラインが絡まないように足元にも注意を払う必要があります。私は、過去ライン自体が絡んだり、靴紐やリールのハンドルにラインを引っ掛けたりしてティペット切れを喰らう等、山ほど失敗しています・・・。なお、リトリーブ中のリールのドラグ調整ですが、私は大物に備えてバックラッシュが起きない範囲で緩々にしています。
・アワセ
私は、普段管理釣り場でのルースニングや小渓流でのドライフィッシングをメインに楽しんでいるため、リトリーブフィッシングでもアタリが出るとつい反射的にロッドを立ててアワセてしまう癖があります。しかし、リトリーブフィッシングではアワセは禁物で、アタリが出たときも同じペースでリトリーブを続け自動的にフッキングさせることが重要です。仮にフッキングしてグッと重くなった後に外れてしまっても、追い食いをする可能性があるので特にロッドを立てずに引き続けることが大切ですが、4/9の釣行では珍しく事前にこのことを意識して臨みました。結果としてナナマルのレインボーとロクマルのブラウンをゲットし自己記録を2つもを更新することが出来ましたが、実はどちらも追い食いをしたものでした。これまでどれだけ自らチャンスを潰していたことか、思い知らされました。
また、フッキング時にロッドに大物の重みを感じてラインが引き出されるようであれば、無理してラインにブレーキを掛けるのではなく好きなように引き出させることも意識しました。
実は、前日の夜に偶然見た釣り専門チャンネル(釣りビジョン)の鹿児島県の錦江湾のタイラバ釣りからヒントを得たのでした・・・。
フライフィッシング以外の釣りが大変参考になりました。
・魚とのやり取り
フッキング後のやり取りについてですが、4/9は、気持ちに余裕を持つようにして肩の力を抜き、無理に魚をコントロールしようとしないことを心掛けました。とくに、フッキング直後の魚の抵抗は鋭く凄いものがありますので、適度にラインのテンションを保ちつつも、魚の好きにさせるつもりでラインを緩めることを意識しました。
そして、ナナマルを掛けた際にバッキングラインを含め60m以上も引き出されたのですが、特に大変だったのは、魚が向きを変えてこちらに向かってくる時のラインの処理でした。急いでリールにラインを巻き取りましたが、対応しきれずにラインを手で手繰ることが何度かありました。幸いにして、魚の動きが止まった時にラインのテンションを保ちつつ急いでリールに手繰ったラインを巻き取り、次の走りに備えることが出来ました。釣り専門チャンネルで、プロの方がハンドルノブを使わずに手のひらを使ってスプールを勢いよく回してラインを巻き取っているところを見たことがありますが、日ごろそのような練習をしたこともないC級の私がやると却ってトラブルの元になるので止めました・・・。いずれにせよ、このシリーズのタックルのところでも申し上げましたが、大物対策としてラージアーバで巻き取り速度が速いリールをお奨めします。
・針先・ティペット確認
4/9の釣行では、珍しく60、58、71cmと大型魚を3匹ゲットすることが出来ましたが、基本を疎かにしなかったお蔭でもあると感じています。
まずは、毛ばりの針先をこまめに確認したことが挙げられます。底近くをリトリーブしていると底の岩等に僅かですが引っ掛かることがあります。またキャスト時にボートに毛ばりが当たることもあります。今回は、こまめに針先を確認したところ、針先が曲がったり鈍ったりしていました。その都度、フックシャープナーを使って針先を研ぎ直したことで、大きなフッキングミスやフックアウトを防ぐことが出来たように思います。フックシャープナーは芦ノ湖に限らず必須アイテムと言えます。
また、ティペットについても、リトリーブ中に底に引っ掛かった際等には、指先で傷がないかこまめに確認しました。さらに、大型魚を釣った際には傷の有無に関わらずティペット交換をしたので、その後の大物とのやりとりも落ち着いてすることが出来ました。
以上で、「芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版)」シリーズを終わりたいと思います。このシリーズは、私自身が後々確認出来るようにと思ってまとめ直したものでもありますが、皆様にも些細なこと一つでも参考になれば幸いです。今シーズンは現時点でコロナ禍で緊急事態宣言が出ており釣行には制約があると思いますが、来シーズンも含め今後の釣果アップに結び付きますよう祈念しております。このシリーズに長々とお付き合いいただき有難うございました。
(終わり)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その7) [釣りノウハウ(実釣編)]
このシリーズの2回目で芦ノ湖の大まかな地形とポイントについて事前に確認しておくと良いと申し上げましたが、今回は実際の釣行時におけるポイントの絞り方についてです。
まず、主なターゲットの湖における生態を考えつつ狙うポイントを考えたいと思います。
《レインボートラウト》
最初はレインボーです。
レインボーは、湖では基本的には回遊しながらエサを捕食しているように思います。芦ノ湖での一番のご馳走はワカサギですので、基本的にワカサギの群れとともに移動しているようです。また、ユスリカ等を捕食しているのかシャローエリアや水面直下の浅い層を回遊していることもあるようです。ある時、湖尻のボート屋さんから対岸の深良水門を目指しハーリングをしつつ移動していたところ、まさに湖のど真ん中(水深数十m)で40cmオーバーのひれピンのレインボーが掛かったことがあります。フローティングラインを使っていたので、この時のタナは、せいぜい水面から1m位だったろうと思います。この時ワカサギは水深15mラインで釣れていたので、いつもワカサギと行動を共にしているわけでもなさそうです。これは単なる推測ですが、水中の酸素は水面近くの方があると聞いたことがありますので、酸素の多いところを回遊しながらユスリカ等を捕食している可能性もあるのかなと思っています。
以上を踏まえ、私は、ワカサギの群れ等餌がある場所や酸素の多い場所(水の流れがあるところ)を狙うことを意識しています。
初期は、水通しのよい水深3~7mの浅い場所(シャローエリア)がまず狙い目です。底に水草(ウィード)が生えていれば、小魚が集まっている可能性がありますので特に有望です。また、底に変化があるところや急に落ち込んで深くなっているいわゆるカケアガリ等にも小魚が集まっている可能性があります。そうしたところをレインボーが回遊していると思われますので、これらの場所の近くにボートを止めて釣ることをお奨めします。
《ブラウントラウト》
次に、芦ノ湖ではブラウントラウトが魅力的なターゲットです。最近はブラウンが増えたのか、これまで以上にレインボーを狙っている時にヒットするケースが増えた気がします。
このため、それほど細かく考えなくても良いのかもしれませが、基本的には、ブラウンはレインボーと異なりあまり回遊していないように感じます。夕マズメを除き、底の岩などの物陰に潜んでエサとなるワカサギ等を待っているものと思います。特に初期は産卵後のワカサギがふらふら岸近くを泳いでいるので、その周りの沈み岩や倒れ木の陰に潜んでいるように思います。エンジン付きボートを使ってルアーで狙う常連の方はどこに岩が沈んでいるか分かっているので、ポイント、ポイントを手際よく探りながら移動していきます。手漕ぎボートでのフライの場合は、機動性がないため不利なところはありますが、岸釣りの方がいない岸近くの岩等のある浅場を選んでアンカーをおろし丹念に探ることをお奨めします。湖尻近辺では、ボート屋さんの北側のキャンプ場沖や早川沖のシャローエリアが狙い目です。また、南側では坊が沢や九頭龍あたりで実績があるようです。
なお、対岸(西岸側)にも深良水門や亀ヶ崎等のポイントはありますが、手漕ぎボートの場合は、風の強さや風向次第で移動範囲に影響が出ることを考えると、ボート操作や体力に自信がある方等慣れた方以外は難しいかと思いますので省略します。私も昔は無謀にも湖の真ん中の海賊船航路を横切って対岸に行っていましたが、最近は東岸側だけで十分釣りになるのでリスクを冒してまで行く必要はないと思っています。
《湖尻東岸のポイント》
私がいつもお世話になっている湖尻東岸のポイントを幾つかご紹介したいと思います。
湖尻では、ボート屋さんの桟橋の先端あたりが水深5~6mラインです。この桟橋沖や、ボート屋さんの北側の桃源台(海賊船桟橋)、飯塚、キャンプ場、早川水門といったポイントが実績があり、釣り人も多いところです。
・桃源台
こちらはボート屋さんに近く、私が必ず入るようにしている桃源台のポイントです。
ただし、観光シーズンになるとスワンボートや手漕ぎボートが近くに来るので、落ち着いて釣りが出来ないことがあります。
・キャンプ場
こちらはキャンプ場のポイントです。
こちらは広いので多くの方が入ることが出来て、沖合に係留して狙う方と私のように比較的岸近くに入る方と皆さん思い思いの釣りを楽しんでいます。スワンボート等は流石に来ませんので落ち着いて釣りを楽しむことが出来ます。
・早川
こちらは最近ご無沙汰している早川です。画像奥に水門が見えます。芦ノ湖の最北端に位置し基本的にはシャローエリアになります。
《魚探の使い方》
ここで魚探の使い方について、記したいと思います。まずは、魚探のセットですが、出船前に桟橋に繋がれている時にセットしています。ボートが安定しているからです。魚探は一般的に魚や底の状況等を表示する液晶パネルのついた本体とそこからコードで繋がれている振動子に分かれています。私は、本体をボートに座っている際に常に視界に入るところ(画像右下)に置いていて、そこからコードを伸ばして振動子を船尾の外側の平らな部分に吸盤をを使って取り付けています。
次に使用方法・目的です。私は2011年から魚探を使い始めましたが、魚探はターゲットとなる魚を探すというよりは、まずは水深や底の形状に変化がある等ボートを係留するための手掛かりを探すために使っています。また一旦ボートを係留してからは、魚が回遊している場所かどうかを判断するためと、回遊している場合はその遊泳層を知るために使っているというのが本当のところです。
因みに過去、魚探に反応が出た直後にゲットした魚は数匹に過ぎません。むしろ殆どの魚は魚探に反応が出ていない状況で釣っていますので、反応がないからといって油断しないようお気を付けください。理由は、魚探の探知する範囲が狭く、キャストの下手のC級の私でも魚探が反応する範囲の先をリトリーブしているからだと思います。また、回遊魚のスピードが速いため反応が出てからキャストしても間に合わないケースが殆どです。
《現実的な対応》
縷々記してきましたが、魚探がない場合など最初は、ボート屋さんで直前の情報を確認し、湖上でボートが集まっているところを狙うのが現実的だと思います。身も蓋もありませんが・・・。加えて竹杭等のストラクチャーがある場所を狙ってみるのも面白いかと思います。
また複数で行かれる場合は、ボート代は嵩みますが、別々のボートに乗ることをお奨めします。ボートは狭く複数で乗るとキャストに制約が生じるためですが、加えてそれぞれ手分けして異なるポイントに入りスマホで状況を伝え合うことで、効率的にポイントを絞れ魚と出会えるチャンスを増やすことが出来るからです。私は兄と行くときはこれを実践しています。
次回は、いよいよこのシリーズの最後として実践ノウハウについて記したいと思っています。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その6) [釣りノウハウ(実釣編)]
このシリーズも、今回から実際にボートに乗って釣りをする場面を想定しての内容になります。まずは、手漕ぎボートでの注意点についてご説明したいと思います。
《乗・下船時》
桟橋から乗船する時にボートが動いて又裂き状態になることがありますので気を付けてください。まずは何も持たずに、桟橋の杭を手で持ってバランスを取りつつ、ボートが桟橋から離れないようにしながら乗船するとよいと思います。釣り具は桟橋の端に置いておき、乗船後ボートに乗せます。下船時は、もやい(舳先や船尾についているロープの輪)を桟橋の杭にかけた後、先に釣り具を桟橋に下ろしてから下船することをお奨めします。またこの前後に、桟橋とボートの間に手などを挟まないようにご注意ください。
なお、ボート内は狭く安定しないためタックルは予め乗船前にセットした方が良いと思いますが、ロッドをボートのヘリから出していると桟橋とボートの間に挟まれて折れる恐れがありますので、沖に出るまでしっかりボート内に納めておきます。
《乗船中》
アンカー(錨)を上げ下げする際に舳先に移動する必要がありますが、これを除いては出来るだけ移動しないようにします。また、やむなく移動する際には直立するのは危険で体勢を低く保ちボートのヘリにつかまりながら移動します。キャストやリトリーブ時に立って行う方がいますが手漕ぎボートは非常に不安定でバランスを崩しやすく落水の恐れがあり危険です。ボートに座るか立膝の状態で行うことをお奨めします。私は常に座ってキャストしていますが、シンキングラインにビーズ等ウェイトの付いた毛バリの組み合わせの場合は意外と飛んでくれますので無理はしないことです。また、魚が掛かってやり取りする際も、魚の動き次第では体の向きを変えて対処する必要がありますが、この場合も直立せずに立膝で対応するようにしています。
こちらは2019年の4月にキャンプ場沖で魚とやりとりしているところを兄が撮ってくれたものです。画像左側の岸側にキャストしてヒットした後、沖に向かってレインボーが走っています。ヒットした時は岸に向かってボートに座っていましたが、途中から立膝になって向きを変え対処しています。
特に舳先からアンカーロープが出ていることから、これにラインが絡まないように特に注意しています。
結局この時は360度回ってランディングしましたが、直立はしていません。
《航行時》
解禁当初はかなりのボートが出ていますのでぶつからないように注意します。特に手漕ぎの場合は、ボートの後方を見ながら漕ぐことになりますので、こまめに前方を確認する必要があります。なお他のボートと行き交う場合、基本は右側通行になるそうです。
また、アンカーを下して釣りをしているボートが進行方向にある場合、ラインの出ている方向(狙っている方向)の近くを通るのは迷惑になります。岸に釣り人がいる場合も、岸に近づきすぎないようにします。お互いがキャストして交差しない距離(目安として50m以上、相手がルアーで飛距離がある時はそれ以上になります)を保つ必要がありますが、風の影響でそれより近づいてしまうことがあります。その時は声を掛けるようにしましょう。
こちらは今年の解禁後最初の土曜日(3/6)の飯塚沖からキャンプ場沖を撮ったものです。沖合(画像左側)にボートが並び風下(この時は岸方向・画像右側)に向かってキャストしています。
一方、右側の岸にも多くの方が立ち込んでいました。
この間を通って画像奥に進みたいところでしたが迷惑になると思い、暫くこの位置にボートを係留して釣ることにしました。更に先に進みたい場合は、画像左側の沖合を通ると周囲の方に迷惑を掛けないと思います。
また、芦ノ湖特有ですが、観光名物の海賊船の桟橋やその航路周辺は何故か良いポイントになっています・・・。横切る時は、安全のため左右から海賊船が近づいていないことを確認します。また、桟橋近くや航路周辺にアンカーを下ろさないことも重要です。
《停船時》
最初は釣れている先行者がいるところの近くにアンカーを下ろして釣ることが多いと思いますが、アンカーを下ろす際には、乱暴に投げ入れてドボンと音を立てるようなことは避けた方が良いと思います。またアンカーを繋いでいるロープをボートのヘリにつけたままでおろすと大きな音と振動がするのでこれも極力避けるのが得策です。折角良いポイントであっても、魚を散らしては元も子もありません。
また、アンカーロープは少し余裕を持たせて別のロープと結んでください。ロープに余裕を持たせずに真下にピンと張った状態にしていると、強い風が吹いた場合アンカーごと引きずられてしまいやすいからです。
なお、自然相手ですので風向きはコロコロ変わります。アンカーを下す際に周囲に迷惑にならないようにしたつもりでも、風が変わると周囲のボートの風下になり、周囲の方のキャストの邪魔になってしまう恐れがありますので、アンカーを下ろす際には、前後左右余裕をもって下ろすことをお奨めします。
こちらは、今年3/19のキャンプ場沖になります。
この時は、私が先に釣れ、その情報を得て兄が隣に来て係留したのですが、兄のボートとの距離は正確に測っていませんが30m程はあると思います。このくらいあるとお互いの釣りに支障は出ません。さらに兄のボートの先にもボートが並んでいますが、皆さん同じような距離をとっていました。
なおアンカーを下したら、2本のオールを外し船内に一緒に仕舞うようにします。外さないとキャストの際や、魚とやり取りしている最中にラインが引っかかったりして、トラブルのもとになりますのでご注意ください。
最後に、広い湖上と言っても、ボートの後ろを他のボートが行き交うこともありますので、キャスト時は後ろにも気を付けてください。
以上、ボート釣りは注意すべき事項が多く慣れないと大変だなと思う方もいると思いますが、相応の注意を払うことと、無理はしないということで対処可能ですので、ボート釣りの魅力を楽しんで頂ければ幸いです。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その5) [釣りノウハウ(実釣編)]
今回は、芦ノ湖のボートフィッシングにおける使用毛ばりについてご紹介したいと思います。
《毛ばり》
芦ノ湖では、ターゲットとするトラウト類が1年を通してワカサギを捕食していると思われることから、主にマラブー、ゾンカー、ストリーマー系を用意するとよいと思います。勿論ユスリカ等水生昆虫も捕食しているのでソフトハックルを使用している方もいるようですが、私はソフトハックルを殆ど使用したことがないので、申し訳ありませんが省略させて頂きます・・・。
・マイ・フライボックス
まずは、私の今年のフライボックスをご紹介したいと思います。
こちらは一番使用しているマラブー系を収納しているフライボックスです。
そしてこちらには主にゾンカー系を収納しています。
・フックサイズとマテリアル(最近の傾向)
フックサイズは、10~14番アタリで良いかと思います。私は以前はTMC3761の12番をメインに使用していましたが、近年大物のフックアウトが多いことからワンサイズ大きい同10番をメインに使用するようにしています。今年のロクマル2匹とナナマル1匹はいずれも10番でゲットしました。
また最近の傾向として、UV素材(マイクロUVポーラーシェニール)をボディに巻いたフライを多用していますが、これが結構当たってくれています。
・最近のベスト3
ここで、昨年3回と今年4回の釣行で実績のあった毛ばりのベスト3をご紹介したいと思います。あくまで私の数少ない釣行での実績ですのでご参考程度にしかなりませんが・・・。
① ビーズヘッド・芦ノ湖スペシャルUVタイプ茶色10番
こちらは、今年4/9のブラウン60cm、レインボー58cm、レインボー71cmのほかにも、3/6のレインボー63cmも咥えてくれてました。
昨年から実戦投入していますが、ダントツの実績を上げくれています(釣れることから一番使用頻度が高くなっていることもあるかと思います・・・)。
② ビーズヘッド・ゾンカーオリーブ色10番
こちらは、10年以上使っている毛ばりです。従来、画像右側のフックサイズ12番を主に使ってきましたが、最近は左側の10番をメインに使用しています。大型小型を問わず安定して実績が上がっています。特に、産卵した後のワカサギがふらふら水面近くを漂っている時に使うようにしています。
こちらは、本物のワカサギです。
こちらが、毛ばりです。
あまり似ていないものの、昨年は3回の釣行でレインボーを10匹以上ゲットしています。
③ ビーズヘッド・マラブー黒色10番
こちらも、昔から使用している毛ばりです。画像左側がフックサイズ12番で画像右側が10番です。ボディに金色のティンセルを巻いてアクセントを付けているのが良いのか、こちらも実績があります。この毛ばりは、キャスト後十分カウントを取り底近くに沈ませてから引いてくると特に効果が出るように思います。
以上が最近のベスト3の毛ばりですが、いずれもティムコのブラスビーズのLサイズを使用しています。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その4) [釣りノウハウ(実釣編)]
今回は、芦ノ湖のボートフィッシングにおけるタックルと仕掛けについて私の考えをご紹介します。併せて、最近使用しているタックルもご紹介したいと思います。
《タックル》
・ロッド・・・ロッドの長さは9ftを基本とし最低でも8.6ftは欲しいところです。また、適合ラインが6~8番の高番手ロッドがお奨めです。
理由は2つあります。1つ目は、ターゲットとなる魚の大きさです。ロクマルやナナマルの5kgを超える大物が掛かり10分を超えてやり取りすることもあるので、これに耐えるロッドを用意しておくのが良いと思います。2つ目は、キャストのし易さです。湖上は遮るものがないため予想以上に風が強く逃げ場もありません。そうした中で、時には風に向かってキャストすることもあるので、風に負けないラインの重さとパワーが必要になるものです。
最近の私は、使い慣れたシマノのフリーストーン(2ピース)の#907を基幹ロッドとして、これにその日の気分で、セージやスコットの同番手のロッドをサブとして使用しています。
今回ナナマルをゲットした際には15分ほどやり取りをしましたが、フリーストーンがこれに耐えてくれました。なお、兄は9ftの8番ロッド(#908)を使用しています。
・リール・・・ロッドに合わせて高番手の6~8番のラインに加えバッキングラインを100yd以上巻けるキャパシティの大きなリールで、ドラッグがよく効くものがお奨めです。また、巻き取り速度が速いことも重要で、ミドルアーバかラージアーバタイプのものが良いと思います。
私は、長年使用しているミドルアーバタイプのグレインのセノーテⅡとⅢを使用しており、予備のリールとしてラージアーバータイプのロス・エボリューションをボートに持ち込んでいます。
・ライン・・・まず番手ですが、ロッドに合わせて6~8番を使用します。初期のリトリーブフィッシングでは、主に水深1mから7m程の層を狙いますので、シンキングラインが必要になります。出来ればシンクレートの異なる2種類を用意したいところです。シンクレートについては未だに悩むところですが、最近の私はタイプⅡをメインとしてタイプⅢをサブで使用しています。このほか、深い層を重点的・効率的に狙う必要がある時を想定してタイプⅣも用意しています。因みに、兄は主にタイプⅢを使用しています。このほか、インターミディエートのラインを使用して、表層近くを狙う方もいるようです。
ラインシステム・形状はキャスト方法により最近はいろいろなバリエーションがありますので、あくまで参考に過ぎませんが、私の場合はオーソドックスなウェットセルのWF(ウエイトフォーワード)のラインを使用しています(WF7S)。
なお、大物が掛かった時のことを考えると重要ですので、バッキングラインについても少し言及しておきたいと思います。市販されているものは主に20ポンドのものと30ポンドの2種類です。リールのキャパシティに余裕があるという前提ですが、バッキングラインは魚の食いには影響しないので、出来るだけ丈夫で絡みにくい太めのモノをお薦めします。また、長さも長ければ長いほど安心で100ydはあったほうがよいと思います。
今年、自己記録となるナナマルレインボーをゲットした際にはかつてないほどバッキングラインを引き出されましたが(ラインを含めると60m以上、バッキングだけでも30m以上、回数も3回)、バッキングラインを100m程巻いていたため、焦らずに済みました・・・。
《仕掛け》
・リーダー・・・9ft~12ftの3Xを基本として、大物狙いの方は2X、また喰い渋ったときのために4Xを用意するとよいと思います。ただし解禁当初の芦ノ湖は水が澄んでいるため(例年この時期、ボートから5m程先の底が見えます)、2Xでは喰いが悪いことを覚悟する必要があります。
私は、9ft~12ftの2X~4Xの各種を持参しています。以前は12ftの3Xをメインに使用していましたが、最近はフッキング重視で短めの9ftの3Xを多用しています。
・ティペット・・・こちらもリーダーと同じで2X~4Xを用意すれば良いと思います。私の場合は、シーガーエースの1.5号(3X)、1.2号(3.5X)、1.0号(4X)の3種類を用意しています。最近は、9ft3Xのリーダーにトリプルサージェンスノットで1.0号のティペットを1m程繫ぐのをメインにして、9ft3Xのリーダーにティペットを使用しないで毛ばりを直結するシステムをサブと位置付けています。因みに、自己記録のナナマルをゲットした際に使用したのは前者でした。
これまでの説明でお分かりかと思いますが、私はボート上にタックルを2セット持ち込んでいます。
それぞれシンクレートの異なるライン(タイプⅡとⅢ)と異なる毛ばりを装着しており、状況に応じて機動的に使い分けるようにしています。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その3) [釣りノウハウ(実釣編)]
今回は釣り具を除くボートフィッシングに特有の装備についてご紹介したいと思います。
通常管理釣り場で楽しむときには、釣り具とは別に、フィッシングベスト、帽子、サングラス(メガネ)、ランディングネット、タオル、更に必要に応じて、防寒着上下(冬場)、使い捨てカイロ各種(冬場)、フラシビクかストリンガー(魚をキープする場合)、マスク(花粉対策や感染症対策が必要な場合)等を用意するかと思います。
ボートフィッシングでは、これらに加え次の装備が必要になります。
《ボートフィッシング特有の装備》
・ライフジャケット・・・ボート屋さんで貸してくれます。というか、これを着用しないとボートに乗せてくれませんので必須です。私は最初の頃はボート屋さんのものを借りていましたが、現在は12年前に購入した自前のものを使用しています。なお、落水した場合に備えて、助けを呼ぶための笛を肩のところに付けています(お守り替わりです)。
なお、通常のフィッシングベストは不要となります。このため、普段ベストに装着しているラインカッターやフォーセップは、防寒着やライフジャケットに付け替えておくとよいと思います。
このほか、自身の経験からあったほうがいいなと思い実際に使っているものは次のとおりです。
・クーラーボックス・・・魚を持ち帰る方にとっては必要な物ですが、そうでない方にとっても大変重宝します。湖上は障害物がないため風がもろに当たり、軽い物は飛んで行ってしまう恐れがあります。また、船の中は思いのほか狭くいろいろなものを置いておくと、キャスト・リトリーブや魚とのやり取りの時に邪魔になることがあります。このため、大き目のクーラーボックスを用意し、予備のリール、フライボックス、リーダーティペット等の仕掛け、更にはタオルや飲食物等も一つにまとめクーラーボックスに入れておくと良いと思います。なお、物の出し入れ時を除いて必ずクーラーの蓋を締めてしっかりロックしておくことをお奨めします。もしクーラーが落ちたり、最悪船が転覆しても、クーラーの中身を失くすことはありませんし、浮き輪代わりにもなります。幸い私はこれまでに落ちたことはありませんが、バランスを崩し落ちそうになったことは少なからずあります・・・。
・手袋・・・寒い季節に特に向かい風でボートを漕ぐのは結構大変です。この時、素手だとオールを持つ手がかじかんだり、手の皮がむけて痛くなったりすることがあります。私は大きめの物を使い、冷え込みが厳しい時には、小型の使い捨てカイロを中に入れておき、フライをキャストした後カウントダウンしている最中に、かじかんだ手を突っ込み温めるようなこともしています。
・釣り用尻手・・・私は、ボートでポイントを移動中に、ハーリング(ルアーで言うところのトローリング)で魚のいる場所を探る時があります。その際、大切なロッドやリールを失わないために尻手を使っています。ハーリングでは船が動いているため、魚が毛バリを咥えると思いのほかアタリが強烈で、ドラッグを緩めていてもロッドが船から飛び出る恐れがあります。私は海釣り用品で有名なヤマシタの尻手を使用し、片方をクーラーボックスの持ち手に繋ぎ、もう片方をロッドのリールの上辺りに繋ぐようにしています。
・座席用クッション・・・ボート屋さんによっては、座席の敷物を用意しているところもありますが、シーズン初期は寒く、防寒着を着ていてもお尻から冷えてきます。このため、私は釣具屋さんで買ったビニール製(雨でも大丈夫です)の四角いクッションを使っています。表面に網目があり、寒さが厳しい時は使い捨てカイロを入れて使っています。
・魚群探知機・・・無くても他の人の状況を見れば釣りにはなりますが、より確率を上げたいと思う方や何か手掛かりを得ながら釣りをしたいと思われる方には有った方が良いと思います。私はここのところホンデックスの普及版の魚群探知機のお世話になっています。
使用目的は、魚の群れを探すことというよりも、底の地形を把握すること、水深を知ること、魚の遊泳層を知ることがメインになります。
・メジャー・・・また、ボートフィッシング特有ということではありませんが、私は魚のサイズを測るためのメジャーを、予めボートのすのこに置いて釣りをしています(出来るだけ魚に負担を掛けないようにスピーディに計測するためです。釣れなかった場合はシャレになりませんが・・・)。
たまたま72cmまでメモリがあったので4/9にゲットした71cmをギリギリ測ることが出来ました。
以上、必須の物、あったほうが良い物をご紹介しましたが、安全・快適に釣りを楽しむためにも、落水対策をしっかりしておくことと、シーズン初期の防寒対策をしっかりしておくこと(防寒着は上下着用)が肝要です。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その2) [釣りノウハウ(実釣編)]
前回から、芦ノ湖のボートフィッシング(改訂版)についてご紹介していますが、今回は、芦ノ湖のどこのポイントを釣るか、どこから出船しどのボート屋さんを使うかについて考えたいと思います。
《ポイントの把握と絞り方》
芦ノ湖は、国土地理院のHPに拠れば、面積7.03㎞、深度(最大水深)40.6mと、いわゆる管理釣り場より遥かに大きいので、まずは、どこを釣るかアタリをつける必要があります。
まずは、国土地理院や芦ノ湖漁協のHP、更には以前ご紹介した別冊つり人Vol.535の「芦ノ湖・河口湖 大明解マップ」等を見て、地形や主なポイント名、さらに水深を事前に大まかに調べておくと良いと思います。
次に、どこのポイントで実績があるかを確認します。私が頼りにしている情報源は、大きく2つあります。まずは、芦ノ湖漁協のHP(http://www.ashinoko.or.jp/)に掲載されている特別解禁大会の結果です。こちらには今年の大会だけでなく過去の大会の検量記録(魚のサイズや釣った場所等)が掲載されています。ちなみに、過去の特別解禁の検量記録では、北側と南側のどちらでも釣れており、明確な差はないように思います。
また、直近の情報としては、ボート屋さんのHPに掲載される釣果情報が良い手掛かりになります。こちらには、釣果のあった日の匹数、サイズ、釣った場所、釣り方等が掲載されていて非常に参考になります。
《出船場所・ボート屋さんの選択》
ボート屋さんは大きく言って、芦ノ湖の北側の「湖尻湾(大涌谷の方から繋がっているロープウェイの終点の桃源台があるところです)」と南側の「箱根湾・元箱根湾(箱根駅伝の往路のゴールや箱根の関所跡があるところです)」の2か所に集中しています。ボート屋さんの情報も、芦ノ湖漁協のHPのレンタル・ボートをクリックすると出てきます。
まず、湖尻湾と箱根湾・元箱根湾のどちらを選ぶかですが、小型船舶の免許を持っていてエンジン船を使える方でしたらどこから出船しても芦ノ湖全域をカバーすることが出来ますが、私のような手漕ぎボートでは、体力的にも安全面を考慮しても湖の半分もカバー出来ませんので、ご自分の入りたいポイントに近い方を選ばれることをお奨めします。なお、当日の風向き次第で風裏になる方を選ぶ方もいるようです。
私は、途中空白期間がありましたが40数年前から芦ノ湖でボートフィッシングを楽しんでいます。しかし、1~2回を除き、ほとんど湖尻からしか出船したことがありません・・・。理由は簡単で、東名御殿場インターから近いからです。また、数回行くと湖尻近辺のポイントのイメージが湧きやすくなり、次もまた・・・となるためです。従って、私の経験では、どちらが良いかを言える立場にありません。
次に、どのボート屋さんを選ぶかですが、料金はどこも一緒ですのでボート屋さんのHPをご覧になって、これまた皆さんの好みで選ぶことをお奨めします。私は、ここしばらくは湖尻の「やまびこ」さんを利用しています。
その経緯は、2011年10月にアップした「因果はめぐるの巻(その2)」に記しているところですが、やまびこさんはアットホームな感じで、私のようなC級アングラーにも優しく接してくれるので助かっています。
予約についてですが、事前に予約した方が安心です。特に、エンジン船の場合は手漕ぎボートより数に限りがあり事前予約が必須のようです。
縷々記してきましたが、身も蓋もない話ですが、結局は行きたい日にたまたま空きボートがあるボート屋さんを選択することになるのかもしれません。長々と失礼しました・・・。
(続く)
芦ノ湖のボートフィッシングについて(改訂版・その1) [釣りノウハウ(実釣編)]
コロナ禍で3度目の緊急事態宣言が出る等、ややタイミングが遅れた感がありますが、芦ノ湖のボートでのフライフィッシングについて、数回にわたって再整理したいと思います。
≪はじめに≫
芦ノ湖のボートフィッシングについては、2012年2月にこのブログで数回にわたり実践ノウハウ等をご紹介したことがあります(現在も閲覧可能です)。今年に入ってから、芦ノ湖のボートフィッシングについて数名の方から質問を受けたことがあり、その時の記事を久しぶりに見返す機会がありましたが、9年以上が経過しておりこの間に様々な失敗をして試行錯誤を繰り返しているうちに、記事の内容が現状とそぐわなくなってきているところもあったことから、改訂版をアップすることにしました(少し大袈裟です・・・)。
勿論、今シーズンの釣行で、自己記録となるロクマルのブラウンとナナマルのレインボーをゲットして、未知の世界を少し垣間見ることが出来たことも大きな契機となっています・・・。
4/9の釣行でゲットした60cmのブラウンです。
こちらは、同日ゲットしたナナマルのレインボーです。
いずれにしても、興味がある方に向けて私の経験をまとめたものに過ぎませんが、少しでもお役に立てば幸いです。
《対象》
芦ノ湖では、一口にフライフィッシングと言っても、重めのシンカーを使って深い層を狙うリトリーブフィッシングや、ボートを漕いで毛ばりを引いてくるトローリングの毛ばり版ともいうべきハーリング、ドライフィッシング、ドライフィッシングの中でもワカサギを模した毛ばりを使ったドライワカサギ(ドラワカ)、さらには私が管理釣り場で多用しているルースニング等、いろいろな形で楽しむことが出来ますが、このシリーズでは、私が主戦場としている『シーズン初期の比較的浅い層を手漕ぎボートを使ってシングルハンドのロッドで狙うリトリーブフィッシング』に絞って説明したいと思います。
対象魚ですが、広くトラウト全般を意識しています。芦ノ湖では、レインボートラウト、ブラウントラウトといった従来の魚種に加え、近年コーホサーモン、イワナ等も放流されており、結果として釣れることがありますが、C級の私の力量では、単一の魚種に狙いを定めることは出来ませんので・・・。
なお、芦ノ湖にはごく小さな川を除き流入河川はなくレインボーの自然繁殖は難しいようで、芦ノ湖漁協では、毎年成魚放流を行なっています(放流実績は漁協のHPに掲載されています)。このため、半ば冗談で芦ノ湖を『規模の大きな管理釣り場だ』という方もお出でになります。しかし、同漁協では、ワカサギの採卵・放流事業にも力を入れており、放流魚はこの豊富なワカサギを捕食して時間の経過とともにヒレが張ってネイティブに近い大型魚に育っており、これがメインのターゲットになるという魅力があります。
《シーズン》
芦ノ湖の漁期ですが、例年3月1日から12月14日までとされています。このうち、ボートフィッシングのシーズンは、3月1日の特別解禁からゴールデンウィーク前後までの2か月強と考えておりそれほど長くありません。トップシーズンは3月中旬から4月のゴールデンウィーク直前までで、特に、芦ノ湖畔の桜が開花する時期(年によって時期が多少変わりますが、今年は4月初旬でした)がベストシーズンだと思っています。この時期は、エサとなるワカサギが産卵したあと一生を終える際に岸近くの浅場にふらふらと漂うため、これを狙いにマスも浅場に来ます。また、水面近くの水温も10度前後とトラウト類が快適に過ごせる時期でもあります。
これを過ぎてしまうと、水温が上がりワカサギとともに次第に深場に移動するため、今回の狙い方では狙うのが難しくなり、エサ釣り(エサは主にイクラやブドウ虫や生きたワカサギ)やルアーでのトローリング、最近はやりのレークジギングが主体となります。
余談ですが、夏場のワカサギ釣りでは水深10m以上の深場を狙うことが多くなりますが、一旦針にかかったワカサギをマスが狙うのか、「外道」としてトラウトが釣れることがあります。残念ながらワカサギ用の針は、袖型の2.5号か3号であるため、大物が掛かっても針が伸ばされてしまいバレてしまうことが多いようです。このため、ワカサギ釣りをする傍ら、釣ったばかりの生きたワカサギをエサにしてマス針に掛け、泳がせ釣り(ムーチング)をされる方も多いようです(竿は一人2本まで出すことが可能です)。実は私も昔この釣りにハマっていたことがあります。ちなみにこの釣りで使うタックルはルアー用のスピニングリールとフライロッドの組み合わせが意外と良い感じでした・・・。
本題に戻りますが、芦ノ湖でボートフィッシングにチャレンジするのであれば、ゴールデンウィークまでに行かれることをお奨めします。
なお、この時期は春先特有の強風や雷雨に見舞われることがありますので、くれぐれも無理をせず安全第一で行動されるようお願いします。いつも申し上げていますが、発達する低気圧とその寒冷前線が通過するときは特に要注意です。私は釣行前に、芦ノ湖のある箱根町のピンポイント天気予報や湖尻のボート屋さんのHPにリンクされた湖尻の天気予報を見て参考にさせて頂いています。雷注意報や強風注意報が出ている時は勿論のこと、強風注意報が出ていなくてもピンポイント予報で4,5m以上の風が予想されている場合や低気圧の動き次第で、トップシーズンであっても釣行を見合わせるようにしています。
《必要な技術・タックル》
今回ご説明するボートフィッシングに必要な要件ですが、次の2つをクリアすれば楽しむことが可能だと思います。
① 毛バリを10m程度キャスト出来ること
10mといっても、ボートから毛ばりが着水するまでの距離で、リーダー・ティペットを含みます。ロッドティップからロッド2本分のラインを出す程度ですので、かなりハードルは低くなります。
ボートでのフライフィッシングの最大のアドバンテージは、魚が回遊する場所の近く(勿論真上もあります)にボートを係留出来ることにあると思っています。これによりキャスティングの飛距離をカバー出来るわけです。
勿論キャスト距離が長いほど広範にポイントを探れるため有利ではありますが、せいぜい15m程しかキャスト出来ないC級の私でも十分楽しんでいますし、ボートのすぐ近く(横)でヒットすることも多々あります。
② 適合ライン6番以上のタックルを持っていること、またシンキングライン(タイプⅡかⅢ)を持っていること
時として60cmを超える大型魚もフッキングすることがありますので、6番以上のタックルが欲しいところです。低番手のタックルで如何に大きな魚を釣るかを最大の関心事にしている方は別ですが・・・。詳しくは別にご紹介したいと思いますが、私は7番、兄は8番のタックルを使用しています。
そんなに難しい条件ではないと思いますので、管理釣り場だけでは物足りなくなった方等、一度チャレンジしてみては如何でしょうか?芦ノ湖は規模の大きな管理釣り場だという方もおられますので・・・。
(続く)
増水時のアプローチ(その3) [釣りノウハウ(実釣編)]
増水で濁りがある場合で、普段使用している毛ばりへの反応が鈍い場合には、魚にアピールするために、「大き目の毛ばりを使う」と効果的な場合があります。
私の場合、養沢では、沈める毛ばりは、普段はフックサイズで14番から16番を主に使用していますが、時にはこんな毛ばりも使ってみるようにしています。
芦ノ湖や秋川湖など止水で大物を狙う場合に使用している12番のゾンカーです。シャンクにレッドワイヤを巻いてウェイトを付けていますが、ゾンカー部分の水の抵抗が大きくなかなか沈んでくれなかったものの、狙っている層に毛ばりが入ると結構アタッテくれて、こちらのヤマメさんも咥えてくれました。
こちらのレインボーは、秋川湖で多用しているビーズマラブーニンフの12番オリーブを咥えてくれました。
次にドライです。普段は主に16番から18番を使用していますが、水量が多い時には浮力も必要であることもありやはり12番から14番と大き目の毛ばりを使用することが多くなります。
こちらは、マシュマロファイバーをテールに使用したストーンフライの12番です。
こちらのヤマメさんが咥えてくれました。
知り合いの方の中には、8番から10番クラスのもっと大きな毛ばりを使って好釣果を上げている方もおられます。
ということで、増水時には言い古されたことではありますが、大き目のフライを試すこともお勧めします。
増水時のアプローチ(その2) [釣りノウハウ(実釣編)]
フライフィッシングでは「魚がいる場所を見つけそこに毛ばりを流すこと」が求められますが、今回は毛ばりの流し方についてです。立ち位置も関係してきます。
望ましいのは、下流側に立ちアップクロスにキャストしナチュラルドリフトさせることですが、増水して流れが速いとそう簡単には行きません。
ということで、C級の私は、「敢えて上流側に立ってダウンクロスに狙ってドラッグも厭わず流し切り、その後敢えて誘うように逆引きする」ことも多用しています。
具体的にはこのよう場所で使っています。
まずは、事務所下の中ほどにあるプールです。
普段はこのような場所には立たないのですが、増水時は敢えてここに立ってダウンクロスに狙ってみることにしています。
こちらは、先日滑り落ちた()事務所下の一番上のプールを上流から狙ってみたものです・・・。
分かりにくいのですが、若草色のラインが下流側に伸びています。白い泡が消えかけた場所にドライフライを落としその先をダウンに流して誘っています。
最後は、平和橋と神谷橋のこちらです。
こちらでは、出来るだけアップクロスで狙ようにしていますが、流れが急なところは敢えてダウンで狙って、レインボーやヤマメさんをゲットさせてもらっています。
こちらは、平和橋の上でダウンに流したドライフライに出てくれたレインボーです。
水量が多い場合は、上流側に立っても普段より魚の警戒心が弱まる気がしています。
この釣り方は、毛ばりを沈めるルース二ングだけでなく、ドライでも有効な釣り方です。流し切ったあと、逆引きで誘うと毛ばりを追って魚が何度もジャンプすることがあります。
このように増水時には、敢えて普段のセオリーを無視してやってみることをお勧めします。
増水時のアプローチ(その1) [釣りノウハウ(実釣編)]
毎回無い知恵を絞りながらアプローチしていますが、なかなかこれだというものには行きつきません・・・。
しかし、折角の機会なので、どのようにアプローチしているかご紹介したいと思います。C級の私のことですのでご参考になるかわかりませんが・・・。
当たり前のことですが、フライフィッシングでは「魚がいる場所を見つけそこに毛ばりを流すこと」が求められます。
しかし、増水時には、主に次の理由によりこれが難しくなります。
①増水と濁りで魚が見えない
②増水でいつも異なるところに魚がいる
③流れが速く複雑になっている(巻き返し(反転流)に加え、水流の盛り上がり、さらには表層と底で流れの勢いが異なる等)
このため、狙うポイント、毛ばりの流し方、毛ばりの選択の3つの点からアプローチを考えています。
私の経験からすると、魚は比較的流れが緩いところにいることが多いと思っています。具体的には、落ち込みの下、巻き返し(反転流)、水深のあるトロ場、岸際などです。落ち込みの下の場合表層は流れが速く毛ばりがアッという間に流されてしまい魚がいる層に毛ばりが入らないケースが多いことから、私の場合はあまり狙っていません。ということで、巻き返しや水深のあるトロ場、岸際を主に狙っています。このうち、まず真っ先に狙ってみるのが岸際です。それも、対岸側はすぐにドラッグが掛かってしまうため、まずは手前側を狙うようにしています。
こちらは、下弁天の流れです。
下流側より画像右側の岸から50cm以内のところにドライフライをキャストして狙うようにしています。普段は水に浸かっていないところで水深は20cmあるかないかですが、少しずつ距離を伸ばしていき、毎回複数匹ゲットしています。
こちらは、平和橋上の流れです。
画像手前に岩がありますが、本来のポイントはこの岩の左側になりますが、そちらを狙う前に岩の右側の普段は流れが殆ど無いような場所も狙うようにしています。
こちらは、遠藤前とポンプ小屋の間の流れです。
こちらも右手前の普段は水溜まりになっているような場所に魚が入っていることが多いので狙うようにしています。特に普段陸上に出ている草が増水で水没しているようなところに結構魚が付いていることが多いので見逃せません。
ということで、技術のないC級の私の場合、増水時は、まずは「狙いやすい手前の岸際、草むら」をキーワードにアプローチするようにしています・・・。
教えることは学ぶこと・・・!? [釣りノウハウ(実釣編)]
先日(6/28)の養沢釣行で、フライ釣行が初めてという方から声を掛けていただいたので、不肖私がお教えすることになったことをご報告していました。
今後また同じような機会があるかもしれないため、間が空きましたが備忘的に振り返っておきたいと思います。これから始めようとしている方にも多少なりとも参考になれば幸いです。
この場所でお教えしました。
ポイント①まずは実際に釣っていただいて、しばらく様子を見てからアドバイスするように心がけました。お教えする前に、何が出来て、何が出来ていないかを見極めるようにしました。
ポイント②キャスト時の問題として、初めての方はフォルスキャストが多すぎ、結果としてティペットやライントラブルが多くなる傾向があること。(養沢に来る前に一度キャスト練習に参加されていたたので、基本は出来ている感じでしたが、それでも一生懸命ロッドを振っている感じでした。5~6m程のキャストであれば、フォルスキャストは無しか1回で十分だということをお教えしました。)初めての方は、とにかく飛ばそうとしてロッドを前後に沢山振ろうとする傾向があります。
ポイント③キャスト時にライン、リーダー、ティペット、フライが一直線に着水するようにすること。そのため無理して距離を稼ごうとしないようにアドバイスしました。(着水時に魚の警戒心を少しでも少なくするため、そしてフライを咥えたときにアタリを出やすくするため、更にはアワセが遅れないようにするためにも極めて大切なことです。)
ポイント④アタリを分かってもらうこと。(最初のアタリはマーカーが少し沈んだのですが、分からなかったそうです。何回かアタリがあって少しずつアタリが分かったようでした。いろいろなアタリがあるため、今アタッタよと言葉で伝えてあげながら、徐々にわかっていただくようにしました。)
ポイント⑤アワセを出来るようにすること。(最初はアワセがなかなか決まりませんでした。というのもキャスト後ロッドを持たない方の手でラインを持つことがルーティーンになっていなかったのでした。そのためキャストしたら必ずラインを持つ癖を付けるようお教えしました。また、流れがあるためキャスト後ラインが弛んできますが、ロッドティップの位置を動かさないようにしつつそのラインの弛みを取ることをお教えして徐々にフッキング出来るようになりました。)実は以前釣りビジョンで初めての女性にメンディングすることも教えている映像をみましたが、アタリがあってもアワセることが出来ず可哀そうにボーズに終わっていたのを思い出しました。このため敢えてメンディングをお教えしませんでした。メンディングは、ラインを必要以上に長くしかも曲げて出してしまいかねないため折角アタリがあってもアワセが難しくなるだけで、最初にお教えする内容ではないと思っています。シンプルイズベストです。
ポイント⑥ランディング出来るようにすること。(フッキングしたら魚の抵抗を吸収するようにロッドを立てること、そしてラインをゆっくり引いてくることをお教えしました。)また魚を必要以上に傷めないようにするため、自らが水に入り、陸上に上げないこともお教えしました。
以上のプロセスを経て、約1時間で待望の1匹ゲットされました。そしてその後、自力で3匹ゲットされたようです。
C級の私が偉そうなことを言いましたが、この一連の流れをお教えする中で、自らも改めて基本を学ぶというか再確認することが出来て、貴重な経験になりました。
小渓流のルースニング(その10/最終回) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズも、今回の第10回で最終したいと思います。
これまで私のやっていること=いわば経験から得た「引き出し」を、縷々ご紹介してきました。
このほかにも、①立ち位置を変える。これにより毛ばりとマーカーの位置関係・流れ方が変わるので魚の活性が上がることがあります、②ティペットをより細いものに替える、③それでもダメな場合は釣り場を暫く休ませる等、まだまだいろいろ考えられますが、冗長に過ぎるので、ここで終了したいと思います。
このシリーズでお伝えしたかったのは、「ルースニングは決して待ちの釣りではなく、むしろ攻めの釣りである」ということです。今回ご紹介したテクが全てではありませんので、自然相手の様々な条件下で、3次元の釣りを思い思いに工夫し楽しんでいただければ幸いです。
この画像は、以前養沢の中流域にある遠藤前の流心を狙った時のマーカーです(分かりづらいですが画像中央にマーカーが流れています)。
上流方向に誘いをかけたあとに、毛ばり先行で流したときのものです。このあとアタリが出てマーカーが沈みました。
長々とお付き合いいただき有難うございました。
なお、明日からはまた通常モードに戻りたいと思っておりますので、引き続き宜しくお願いします。
小渓流のルースニング(その9) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第9回になります。
前回は、意図的に毛ばりを動かして魚を誘うテクについて典型的な例をご紹介しました。
これで、釣れない、或いは数匹釣れた後にアタリが遠のいた場合には、最後の手段として、毛ばりを交換するようにしています。
ここでは、毛ばりのローテーションについて、私が基本としているもの(これが全てではありませんが)をご紹介します。
毛ばりを交換する場合の変化の要素は大きく3つあります。
①まずはフックサイズですが、私は基本的に大きいサイズから使うようにして、反応が鈍くなると徐々に小さくしていきます。養沢では、14番→16番→18番→20番というように交換しています。反応が極渋の時は、途中を飛ばし14番から一挙に20番へ換えることもあります。
②次に毛ばりの色ですが、私は場を荒らしたくないためまずはナチュラル系を使用し、途中でアピール系にシフトしています。場所が混んでいて移動が出来ないケースでは、アピール系で飽きられたと思ったら、またナチュラル系に換えるようにしています。具体的には、茶・黒系統→黄・白系統→茶・黒系統・・・・・・と交互に換えるようにしています。
③最後はウェイトや形状です。但し私のフライボックスはバリエーションに欠けるため、ここでは形状の話はしません。ウェイトについては、狙う場所の流れの速さと深さによって最初に使う毛ばりを決めると以前ご紹介したところですが、この後は、実際の魚の動き等で判断しています(予め順序を決めるようなことはしていません)。魚が深いところに定位している場合は、一番重いビーズヘッドからスタートしますが、魚が水面近くを意識しているように感じたら、敢えて軽い毛ばりに換えて様子を見ることもあります。
以上はあくまで一つの考え方ですので、これにとらわれることなく、自由な発想でフライボックスを眺め、思いつくままに換えて行くことをお奨めします(続く)。
小渓流のルースニング(その8) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第8回になります。
今回は、ラインにテンションを掛けずに毛ばりを自然に流しても反応がない場合の対応として、2つ目のテクをご紹介します。
それは意図的に(不自然に)毛ばりを動かして魚を誘うテクです。
不自然な毛ばりの動きがそれまで反応がなかった魚のやるきスイッチを入れることは、よくあることです。この誘いは私がルースニングをする際に一番効果を挙げているテクニックです。
大きく3つの誘い方がありますので、ご紹介します。
①毛ばりを浮上させる=毛ばりを自然に流してしっかり沈めた後、ラインをピックアップする寸前に、ラインを数秒止める(張る)ことで、流れの力で毛ばりを少し浮上させます。この直後にアタルケースが多いので多用しているテクニックです。アタリは、マーカーが下流方向に大きく引っ張られる場合と、ラインを緩めた反動でマーカーが少し戻ったような小さな場合の両方がありますので、おかしいなと思ったらアワセてみることをお奨めします。
②毛ばりを流れに逆らって上流側に動かす=①の動きに加え、ロッドを上流側に少し動かすことにより、毛ばりを浮かび上がらせながら上流側に30~50cm程動かします。この誘いも非常に効果的です。動かしている間や動きを止めた直後にアタリが出るケースが多いので油断は禁物です。
また、これをラインを小刻みに引いて大々的に行うといわゆる逆引きになりますが、流れ込みを上流側からしか狙えないようなシチュエーションでは、この逆引きが効果的な場合があります。このケースでは、アタリはマーカーというより直接ロッドに伝わってきますのでそのタイミングでアワセます。
先週の養沢釣行で尺ヤマメをゲットしましたが、この②の誘いの直後に来たものでした。
③毛ばりを流れに対して横切らせる=毛ばりが十分に沈んだところで、ラインを手間に引くことで、毛ばりを流れを横切るように動かします。これで誘われた魚が毛ばりの後を追いかけてくる動きをよく見ることが出来ます。
いずれの場合も、水中の魚の動きを見ながら誘ってみることが大切です。魚に毛ばりを追う動きが出ればチャンスです。繰り返しますが、誘いを入れている最中やその直後にマーカーが動くことが多いので、アワセが遅れないようご注意ください。
ルースニングでは「自然に流してダメな場合は敢えて不自然な動きで誘うこと」を心掛け、積極的に毛ばりを操作してみることをお奨めします。
ただしラインが水面を叩くような乱暴な動きは場を荒らすだけでマイナスになるケースが多いので、積極的にと言っても静かに誘うことがポイントになりますのでご注意ください(続く)。
小渓流のルースニング(その7) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第7回になります。
前回は毛ばりを魚が定位している狙った層に沈めるためのキャスト時の落としどころについてご説明しました。
今回は魚の定位する層にいよいよ毛ばりを流す場面です。
まずは、毛ばりを自然に流します。といってもティペットやマーカーが水の抵抗を受けるためドライのナチュラルドリフトとは多少異なります。
ここでいうところの自然にとは、「ラインにテンションをかけず、流れに任せてマーカーと毛ばりを流すこと」を言います。
これでマーカーに首尾よくアタリが出れば、メデタシ、メデタシとなるわけですが、先行者に叩かれたりしてプレッシャーがあるとそう簡単には行きません。
こうした場合、毛ばりを交換する選択もありますが、その前に試した方が良いことが幾つかあります。
ここからのキーワードは「あの手この手で」、「手を替え品を替え」です。私はドライ同様ルースニングも好きですが、ルースニングの面白さはこの辺りにあります。
釣り場では、ひたすら流すだけで殆ど変化を付けていない方もお見かけしますが、私は誘いのテクで魚と勝負することが好きです。かなり大袈裟ですが・・・()。いわば積極的に攻めていく釣り方です。
私の場合、毛ばりを交換する前に大きく2つのことを試すようにしています。
今回はそのうちの1つをご紹介します。
それは、キャスト(着水)位置を変えたり、マーカーの位置を小まめに調節することにより、毛ばりが通過する流れ(レーン)や沈める層(レンジ)を変えることです。
①まずは、毛ばりが流れるレーンを変えてみます。流心ではなく、流心の奥や手前を探ると結構アタル場合があります。実践では流心から突然魚が出てきて毛ばりを咥えてくれることも多いので、敢えて魚から少し距離を置いて毛ばりを流すことも意外と有効です。
②これでダメな場合は、今度は毛ばりが流れるレンジを変えてみます。ここでウキゴムで留めるタイプのマーカーが威力を発揮してくれます。マーカーを小まめに調節し魚が定位しているところより少し浅いレンジを流したり、逆に少し深いレンジを流したりして様子を見ます。
流れるレンジが違うだけで、急に反応がよくなるケースがありますので是非お試しになることをお奨めします。
いろいろ試した結果、こんな感じで釣れてくれると格別です(続く)。
小渓流のルースニング(その6) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第6回になります。
今回は、いよいよ釣り場でキャストする段階です。
まずは、魚のいるレーンの上流に毛ばりを落とすようにキャストするのですが、ここで重要なのは、着水時にマーカーと毛ばりの間のティペットがしっかりストレートに伸びていることです。着水直後やティペットが伸び切る前に魚が毛ばりを咥えることが良くあり、この場合折角毛ばりを咥えてくれたにもかかわらずアタリがマーカーに出ないからです。
毛ばりとマーカーの比重や形状(空気抵抗)が違うためなかなか真っ直ぐに伸びないことが多いので、距離を欲張らないことがミソです。むしろ着水直前にほんの少しラインを手前に引く感じにした方がしっかり伸びてくれますので、お試しください(ただし引きすぎるとティペットがマーカーに絡む等、トラブルも起こるので、加減が重要ですが・・・)。
ここからは、毛ばりの動きに合わせていろいろとこまめに調節していくことが重要です。毛ばりが狙ったとおりの流れ(レーン)と深さ(レンジ)を通過すればよいのですが、そうでないときには、毛ばりの着水位置や、マーカーの位置を小まめに変えるなどしてアジャストしていきます。
なおこの時、思うように沈まない場合はその理由を考えることが重要です。①毛ばりとマーカーがともに流されてしまうのか、②毛ばりがマーカーを引っ張るように流されてしまうのか、③それとも逆にマーカーが流れに乗ってしまい毛ばりを引っ張ってしまうのか。理由によって対応が異なってきます。
①の場合は、毛ばりとマーカーの着水位置を変えて、狙っている早い流れの奥の緩やかな流れに落として毛ばりがある程度沈んだところで手前に引いて流れに乗せる方法があります。また、毛ばりをより重いものに変更すること等が考えられます。
②の場合は、毛ばりの着水位置を変えて、早い流れの奥の緩やかな流れに落とし毛ばりがある程度沈んだところで手前に引いて流れに乗せる方法があります。また、毛ばりをより重いものに変更すること等が考えられます。
③の場合は、マーカーの着水位置だけ早い流れの手前の緩やかな流れに落とすことで調節する方法があります。また、マーカーの位置を変え、毛ばりとマーカーの距離を長くするなどの方法も有効です。
画像上に赤と黄色の線を引いてご説明します(初めての試みですがうまく行きません)。分かりづらいと思いますが、赤い線が流心で一番流れが速いレーンです。黄色の線はその横の少し流れが緩いところです。
この黄色いところに一旦毛ばりやマーカーを落とすことにより毛ばりを沈めやすくすることが出来ます。
とにかくいろいろ試行錯誤して狙ったレンジに毛ばりをしっかり沈めることが大切です。なお、いろいろ試してダメなら、その場所に固執せずに、別の場所を狙うことも大切です。この画像のプールでも狙う場所は沢山あります。例えば赤い線の途切れた下流などです(続く)。
小渓流のルースニング(その5) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第5回になります。前回は、釣り場での毛ばりの選択と、マーカーと毛ばりの距離(長さ)についてご説明しました。
今回は、魚を狙ってキャストする直前のノウハウです。
1つ目は立ち位置です。魚は流れに向かって定位しますので、通常上流を向いています。ということで、魚をむやみに警戒させないため、可能であれば少し下流側からアプローチすることをお奨めします。岸辺の状況によって、やむを得ず上流側に入らなければならないときは、出来るだけ岩に隠れるか身をかがめるかします。また、水にはなるべく立ち入らずに、岸から2、3歩下がることをお奨めします。この辺りはドライフィッシングと一緒です。
先日ようざわ便りに掲載された写真で解説します。
写真右が上流になります。
この時、プールの上流から1/3程のところにキャストして、プールの半分から下あたりの魚を狙っていました。このため、プールのかなり下流側に立っています。なお、魚が掛かって取り込んでいるところなので、岸辺に近づいていますが、それまでは岸辺から2、3歩下がっていました。
さて立ち位置が決まった所で、いよいよキャストするわけですが、その前にもう一つだけしておくことがあります。それは、毛ばりを岸際の川の中に一旦落として水を吸わせ馴染ませることです。未使用の毛ばりは浮力があり意外と沈まないケースがあるので、これを防ぐのが第一の目的です。
それと同時に、毛ばりの沈み方を目で確かめておくことも重要です。イメージしている沈み方と実際の沈み方が思いのほか異なるケースが多いので、ここで確認しておくことをお奨めします。
毛ばりを実際に流す際には、直接的にはマーカーの動きを見るわけですが、同時に毛ばりが水中のどの辺りを流れているかをイメージすることが釣果を得る上で重要です。毛ばりの沈み方を知っておくことはこの点からも極めて大切ですので、キャスト前に必ず確認する癖をつけることをお奨めします(続く)。
小渓流のルースニング(その4) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第4回になります。これまでは、タックル、マーカー、毛ばりについてご紹介してきましたが、いよいよ、釣り場でのノウハウ編です。
釣り場に着いたら、まずは狙う魚がどのレーン(流れ)やレンジ(深さ)にいるか確認します。それにより2つのことを決めます。
1つ目はどの毛ばりを使用するか、2つ目はマーカーと毛ばりの距離をどの程度の長さにするかです。
以下私の経験から得た原則的なことを記します(あくまで私の考えですのでお含みおきください)。
流れが速い流心周辺の深い位置にいる場合・・・毛ばりはビーズニンフのように出来るだけ沈みやすいものを選択します。マーカーと毛ばりの距離は、魚が定位する深さ(レンジのことで水面から底までの水深のことではありません)の1.5倍程度にします。ティペットが受ける水の抵抗が強いことから長目にしないと毛ばりがティペットに引きずられてしまい沈まないためです。
流れが緩やかで深い位置にいる場合・・・毛ばりはビーズニンフかコーパーワイヤ若しくはレッドワイヤのものを選択します。マーカーと毛ばりの距離は、魚が定位する深さの1.2倍程度にします。
流れの速い流心近くの浅い位置にいる場合・・・毛ばりはビーズニンフかコパ―ワイヤ若しくはレッドワイヤのものを選択します。マーカーと毛ばりの距離は、魚の定位する深さの2~3倍にします。ティペットが受ける水の抵抗が強いことと、マーカーを出来るだけ魚から遠ざけて通過させるために長目にするものです。これにより浅いところに位置する魚の警戒心を高めさせないようにします。
流れが緩やかで浅い位置にいる場合・・・毛ばりはノンウェイトかコパーワイヤ若しくはレッドワイヤのものを選択します。マーカーと毛ばりの距離は、やはり魚を警戒させないように、魚の定位する深さの2~3倍にします。
なお、浅い・深いは感覚的な言葉ですが、養沢を例にとると、その目安は50cmより浅いか深いか程度のものとお考えください(続く)。
小渓流のルースニング(その3) [釣りノウハウ(実釣編)]
少し間が空きましたが、小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第3回です。今回は使用する毛ばりのウェイトについてです。
私の場合、沈みやすさの違いで、大きく3つのウェイトタイプを用意しています。
①ビーズニンフ(写真左端)。以前比重の話題をアップしたことがありましたが、真鍮製とタングステン製のものがあります。タングステン製の方が重く沈みやすいです。
②コパーワイヤニンフ(写真左から2番目)及びレッドワイヤニンフ(写真左から3番目・レッドワイヤ(鉛)はダビング材の下に巻いてあるので見えません)。どちらも比重的にはほぼ同じです。
③ノンウェイトのニンフ(写真右端)
これらを沈みやすい順に並べると、①>②>③の順になります。
養沢クラスの小規模河川では、この3つのタイプを用意すれば十分ですが、これで沈みきらないようでしたら、毛ばりから10cmほど上のティペットにスプリットショット(いわゆるガン玉)を付けることで調節すると良いと思います。
因みに、私はスプリットショットをベストに入れて携行しているものの、トラブルを減らしたいこともあり出来るだけ使用しないようにしており、養沢では実際に使用したことはありません。
なおこの写真では、茶・黒色系の毛ばりをご紹介しましたが、カラーバリエーションとして、対照的な色合いのものをもう1色用意すると良いと思います。私はアピール系の黄色を用意していますが、混雑していて他の場所に移れない時などに毛ばりを交換することで目先を変えることが出来て、釣果をそれほど落とさずにすんでいます。
申し遅れましたが、フックサイズは16番を中心に使用しています(続く)。
小渓流のルースニング(その2) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第2回は、ドライでは使用しないウキともいうべきインディケーター(以下マーカーと呼びます)についてです。
まずマーカーの種類と特徴をおさらいしておきたいと思います。
写真の上段の2つは、ティペットに貼る使い捨てタイプのものです。ドライをやっていてすぐにルースニングに変更したい場合に、毛ばりをティペットから取り外すことなく素早く装着出来るというメリットがあります。一方で、タナ(毛ばりとマーカーの距離)の調節をしようとしてマーカーを一旦動かしてしまうと、その後位置がズレ易くなるため、実質的にタナの調節がしにくいという面があります。また、発泡スチロール系の軽い素材で出来ていることから、風(空気)の抵抗を受けやすくキャストがしにくいという面もあります。さらに魚が毛ばりを咥えた時の繊細なアタリが出にくい感じがします(個人的感想です)。私は一応ベストに忍ばせていますが、養沢では使用したことはありません。
次に写真下段左のマーカーですが、こちらは、マーカーにスリットが入っていて、そこにゴムが貼られているタイプで、ここにティペットを挟んで使用します。こちらも先程のものと同様に着脱が簡単です。加えて、タナの調節も簡単に出来るという長所があります。ただし、使用している間にマーカーが動いてズレやすいという側面があります。
最後は写真下段の真ん中と右のタイプですが、こちらは、両サイドを小さなウキゴム(ゴム管)で留めるタイプのものです。ティペットに付ける際には、一旦フライを取り外し、ゴム管を2つティペットに通す手間が必要になります(老眼の私にはチョット大変な作業です)。しかし、タナの調節(短くするのも長くするのも)が簡単に出来るうえ、一旦固定するとまずズレることもありません。
このほか羽根で出来ているもの等もありますが、私はこのゴム管で留めるタイプのものを使用しています。特に素材が木で少し重くまたシャープな形をしていて、キャストしやすくアタリも出やすい一番右の「グレイン・スーパーマーカーⅡ」を好んで使用しています。
実は、長年ご紹介した順番で試してきて、現在このスーパーマーカーに行き着いた次第です。
なお、タナを調節する際には、一旦ゴム管からマーカーを外してから、ゴム管を動かすことをお勧めします。マーカーを付けたままゴム管を動かすと、ティペットが擦れて傷ついたりパーマ状態になってしまうからです。こうなるとアタリが取りづらくなる上、切れやすくなるのでお気を付け下さい(続く)。
小渓流のルースニング(その1) [釣りノウハウ(実釣編)]
小渓流におけるルースニングのプチテクシリーズの第1回は、タックルについてです。
と言っても、ドライフィッシングと基本的には変わりません。渓流ではロッドは1本しか携行できないため、一日の中でドライとルースニングの両方を楽しむには必然的に同じタックルを使うことになります。
因みにロッドは、8ft前後で操作性の良いものがよいと思います(私は養沢では、8ftから8ft6inchのロッドを使用しています)。
ラインは、私は3~4番のフローティングラインを使用しています。
リールは当然これらに対応するものになります。
次にリーダー、ティペットですが、こちらも基本的にはドライと一緒でOKです。私は養沢では6X(0.6号)~7X(0.4号)を基準としています。C級の私の腕ではあまり細いとトラブルが続出して釣りになりませんので・・・。なお極渋の時に限り、8X(0.3号)を使うこともありますが極めて稀です。
因みに最近の養沢釣行で使用するティペットは、フロロカーボン(ナイロンに比べ沈みやすいです)の0.5号がメインになっています。
なお、ドライ用のタックルと異なる点を挙げるとすれば、テーパーリーダーの長さです。私はドライでは12ftを基本としていますが、ルースニングの場合は、短い9ftを基本としています。この先にティペットを約1.5mとドライより長く繋ぐため長すぎると、キャストがしにくいからです。
なお、12ftのテーパーリーダーを使用してドライフィッシングをした後にルースニングにする際は、もったいないのですが、テーパーリーダーの先を切って短くしてから、ティペット約1.5mを結んでいます。
プチテク的な内容がない1回目となってしまいました(続く)。
プチテクシリーズ再開!? [釣りノウハウ(実釣編)]
久々にプチテクシリーズを再開したいと思います。
以前止水(ポンド)でのルースニングのプチテクやドライフライの演出についてのプチテクについてご紹介したことがありましたが、今回は、小規模河川(養沢)でのルースニングのプチテクについてご紹介したいと思っています。
ドライフィッシングより、ルースニングのほうがはるかに釣りやすいので、説明などは要らないかなと思っていたのですが、最近の養沢釣行でルースニングでも結構苦戦したこともあったことから、改めて自らを省みながら記してみることにしようと思ったのがきっかけです。
とはいっても、どのような内容になるかまだ決めていませんので、これから記しながら考えたいと思っています。
果たしてどのような内容になるか・・・、チョット自信はありませんが。
釣り場での毛ばりの演出プチテク(その4) [釣りノウハウ(実釣編)]
今回はドライフライのプチテクの最終回です。
流れの速い瀬や、淵への流れ込み等白く泡立っているところで、時に有効な釣り方です。これまでの経験では、夕マズ目で特に効果を発揮します。
それは、ラインをあまり伸ばさずに上流側に立って、ダウンクロスで狙う釣り方で、毛ばりを水面に触れるか触れないかギリギリのところに位置させて、場合によっては逆引きをするような釣り方です。、
渓流のエサ釣りやテンカラでいうところの『提灯釣り』のような釣り方です。
水面につけるのは基本的に毛ばりだけで、ラインは勿論のことティペットもつけないようにすると、毛ばりが水面に触れるとその反動で跳ね上がるのですが、これが水面にすれすれに飛んでいる昆虫に似ているのか、結構魚がジャンプして飛び付いてくることがあります。
この写真は、西野橋の淵の流れ込みを上流側から撮ったものです。
終了間際の暗くなりつつある時間帯に右下の白い泡が消えかかった辺りに毛ばりをキャストというか定位させて、何度かよい思いをさせてもらっています。
釣り場での毛ばりの演出プチテク(その3) [釣りノウハウ(実釣編)]
今回も、ドライフライについてのプチテクです。
実はプチテクと言うほどでもないのですが・・・。
それは、同じ毛ばりでも、タオルで湿気を取ったりフロータントを使うことにより、浮力を回復させて、魚から違うものが流れてきたと思わせる(?)テクニックです。
ドライの場合、暫く使っていると浮力が無くなり、毛ばりが水面下に沈む割合が増えてきます。こんな時に、ドライスプレーやドライシェイクを使ってフライをリフレッシュすると、意外と魚が反応してくれるケースがあります。
私は、よくというか必ずと言ってよいほど試しているテクですが、これでダメな場合には見切りをつけ、フライを交換することにしています。
毛ばりのレパートリーが少ない私には重要なテクで、フロータントを使うことにより、毛ばりが2倍になるような効果を上げることが出来ていると実感しています。
釣り場での毛ばりの演出プチテク(その2) [釣りノウハウ(実釣編)]
その1に続き、ドライフライの流し方についてのプチテクです。
前回、ナチュラルドリフトが基本と申しあげましたが、今回は意図的に毛ばりを動かすという攻撃的な演出についてです。
以前釣りビジョンの番組で、フライフィッシングの大御所的存在である里見栄正氏が出演していました。
この中で、羽化した昆虫(アダルト)が水面すれすれに、時折触れながら飛んでいる場合や羽をバタバタさせながら水面を流れている場合に、ドライフライを意図的に水面をチョンチョンと滑らせるテクニックが紹介されていました。
いわゆるフラッタリングというテクニックですが、先日養沢でも同じようなシチュエーションが出現したため、早速試してみることにしました。
キャスト後、竿を立てつつ竿先(ロッドティップ)を前後に小刻みに動かし、毛ばりが水面を跳ねつつ手前に滑らせるようにしてみました。
すると・・・、結構魚が飛び付いてきて、効果を実感しました。
この場合、毛ばりは浮力があってその大部分が水面上に出ているものが適しているように思います。私は、エルクヘアカディスやハックル系のフライを使用しています。
先日フラッタリングの効果のあったハックル系のドライです。
また、ナチュラルドリフトで数匹釣った後など魚の警戒心が高まったときにも、試していますが、結構効果的な場合がありますので、毛ばりを交換する前や、次の場所に移動する前に試してみることをお奨めします。
釣り場での毛ばりの演出プチテク(その1) [釣りノウハウ(実釣編)]
最近フライフィッシングのテクニックに関する記事を殆どアップしていませんでした。
今回は、養沢に数多く釣行するようになり、流水での毛ばりの流し方及び演出を悩みつつ試行錯誤している状況の中で何となく感じていることをご紹介したいと思います。あくまでC級レベルで、現場での体験に基づく私の感想的なものですので、ご容赦ください。
フライフィッシングの場合、基本的にはいかに毛ばりを自然に流すこと(ナチュラルドリフト)が出来るかで、釣果が左右されると言われています。確かに私もそう思います。
しかし、実際の河川で遭遇する流れは複雑で、ナチュラルドリフトさせることはそう簡単ではありません。特に強い流れの向こう側を狙う場合や流れが数本に分かれていてそれぞれに反転流(上流に巻き込む流れ)がある場合は、ラインやリーダーが様々な流れの影響を受け、結果として毛ばりが流れより早く流されたり、下流ではなく上流に向かって動いたり、止まったりしてしまうことがあります(いわゆるドラッグが掛かる状態)。
そこで、メンディング(毛ばりが自然に流れるようにラインやリーダーを操作すること)というテクニックが必要になると一般的に言われています。
たしかにメンディングには、毛ばりが自然に流れる時間を長く出来るというメリットがありますが、次のようなデメリットもあり、私は養沢のような小規模河川では『労多くして実り少なし』というのが実感です。
①メンディングすることで、短い間とはいえ折角ナチュラルに毛ばりが流れているのに、かえって不自然に引きずってしまうことが多い(C級の私はよくこうしたことが起こります)。
②メンディングのためにラインやリーダーを動かすことにより、周囲の魚を無用に警戒させ散らしてしまうことが多い(私はメンディングをしたがゆえに魚が逃げていくのをよく見ます)。
③ドライの場合、着水してせいぜい数秒が勝負と言う状況の中で、メンディングに気をとられてしまうと、アタリを逃してしまうことが多い。加えて、メンディングにより、ラインを曲げたり弛ませたりして必要以上に出すことで、アワセが遅くなりフッキング率が下がってしまうことが多い(特にヤマメの場合はアワセ勝負になるのでラインを弛ませるのは得策ではないと思っています)。
相当前のことなので番組名等詳細は忘れましたが、釣りビジョンの番組で、あるC&R区間で初心者の女性がフライフィッシングの指導を受けているのを見たことがあります。その女性はそこそこキャストは様になったものの、メンディングも教えられて、これをするのに精一杯な感じで、結局1匹も釣れなかったのでした(ルースニングもやっていましたが・・・)。見ているこちらが気の毒になるくらいで、恐らくフライフィッシングって何と難しいものかと感じたものと思います。
ということで私は、出来るだけメンディングしなくても済むように立ち位置で調整するように心がけています。
流れが複雑な場合は、出来るだけ狙うポイントのある流れの下流に立ちアップクロスで狙うようにしています。こうすることで、ライン、リーダー、ティペット、そして毛ばりを同じ流れに乗せることができます。
ここは西野橋の上流域の大岩が多いポイントですが、早い流れ(泡で白くなっています)の向こう側に絶好のポイントがあります。
このような場合、多少でも下流側に立ってキャストすることにより、僅かでも毛ばりが自然に流れるようにしています。こうすることで、実際にこの場所でメンディングせずに3匹ゲットしています。
なお、素晴らしいポイントがあり、どうしても流れの状況等で、立ち位置を調整できない場合に限り稀にメンディングをすることがありますが、上手く行ったことは殆どありません(腕のせいですかね)。
プチテクと言うほどの内容ではなかったかも知れませんが、要は小規模河川ではメンディングは基本的に不要だという暴論を申し上げたかったのでした。
失礼しました。
気になっていた魚探の利用方法 [釣りノウハウ(実釣編)]
先日、ギル神田店に行った際に、スタッフと芦ノ湖について情報交換してきました。
そのスタッフもボートで狙うそうですが魚探を使っているとのことで、以前から気になっていたことを聞いてみました。
それは『魚探をつけっぱなしにしていると、折角ボート周辺に回遊してきた魚が魚探の出すカチッカチッという音波(反射波)で逃げて行ってしまうのではないか』というものです。
というのも、私の場合魚探を付けるようになったのはこの4~5年ほどですが、どうもそれ以来ボートのすぐそばで釣れることが少なくなったと感じていたのでした。
そのスタッフによれば、そうした噂は聞いたことがあり、ポイントに近づいたら電源をオフにするようにしているとのことでした。
本当のところは定かではありませんが、今後トラウト用に使用する場合は、水深や水底の地形の変化や魚の回遊ルート・回遊層を探るために限定的に使用し、釣っている時は電源をオフにしてみようと思っています。
それにしても5年間も疑問に思っていたことをそのままにしていた自分のいい加減さに呆れています。
ルースニングの新たなテク(その2) [釣りノウハウ(実釣編)]
少し前に開成の年輩の常連さんの目印を使った釣り方をご紹介しましたが、今回は、開成の年輩のスタッフさん(大輪さんではありません)と情報交換していたときにルースニングのテクについてお聞きしたので、一部分からないところもありますが、自分なりに頭に描いたモノをお伝えします。
その方は、何とフライの「トラキン(トラウトキング選手権)」に参加されているそうです。おみそれしました。
その方は、マーカーは知人の方が作ったものを使用しているそうで、私が使っているマーカーと先日ご紹介した常連さんが使っている目印の中間型のものと思われる感度の良いものを使っているようです(開成の近くの蛍田駅そばのM釣り具にヒントがあるかも?)。
そして、毛ばりはノンウェイトのマラブーやニンフのようですが、毛バリの上30cm位のところに一番小さなサイズのスプリットショット(渓流で使うガン玉の7~8号サイズ)を一つ付けるとのことで、これがミソだそうです。
早速釣具屋さんに行きましたが、生憎7~8号のものがなく、やむなく6号を買ってきました。
6号のガン玉です
今度試してみて、ルースニングの引出しを増やしたいと思っています。